最も小さな区でありながら魅力は23区最大級の台東区、北千住の成功に続いて殺伐としたイメージから脱却したい足立区の「輝く街・くすむ街」
牧野知弘の23区「街間格差」第10回
牧野知弘
北千住はなぜ大きく変わったのか
足立区と聞けば「治安が悪い」「不良が多い」など殺伐としたイメージを抱く東京人は未だに多いと思いかもしれません。総務省『課税標準額段階別所得割額等に関する調べ』などを見る限り、区民の平均年収も23位前後に落ち着いているようです。
その足立区にあって近年、大きな変化が生じた「街」があります。それが北千住です。
2005年2月、区では人口の減少に伴い、学校の統廃合を進める一方で跡地の活用として、文化や芸術、産業の誘致に力を入れる「足立区文化産業・芸術新都心構想」を掲げました。
その結果、東京電機大学、東京藝術大学をはじめとした五つの大学の招致に成功。2020年にはさらに文教大学の進出も決定しました。
こうした教育機関の相次ぐ進出によって若い人が集まり、マンションが立ち並び、「街」の雰囲気は若い人たちが闊歩してがらりと変わりました。