最も小さな区でありながら魅力は23区最大級の台東区、北千住の成功に続いて殺伐としたイメージから脱却したい足立区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第10回
牧野知弘

東京全体の盛り上がりから置いていかれている印象のエリアも

たとえば小菅付近まで行くと東京拘置所があるためか、「賑わい」という言葉からは距離を感じる街並みが続きます。

24726186_s.jpg東武鉄道伊勢崎線の小菅駅(写真提供:Photo AC)

区の北西部にある鹿浜橋から江南付近までの荒川と隅田川に挟まれた中州状のエリアは最寄り駅からも遠く、利便性が低いまま取り残されてしまっています。

さらには北東部の花畑付近も、開通したつくばエクスプレスや伊勢崎線の駅からやや遠く、東京全体の盛り上がりから置いていかれている印象が否めません。

牧野知弘
1959年生まれ。オラガ総研株式会社代表取締役。東京大学経済学部卒業。第一勧業銀行(現:みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループを経て、89年三井不動産入社。数多くの不動産買収、開発、証券化業務を手がけたのち、三井不動産ホテルマネジメントに出向し、ホテルリノベーション、経営企画、収益分析、コスト削減、新規開発業務に従事する。2006年日本コマーシャル投資法人執行役員に就任しJ-REIT(不動産投資信託)市場に上場。09年株式会社オフィス・牧野設立およびオラガHSC株式会社を設立、代表取締役に就任。15年オラガ総研株式会社設立、以降現職。著書に『街間格差』『なぜ、街の不動産屋はつぶれないのか』『空き家問題』『こんな街に「家」を買ってはいけない』『2040年全ビジネスモデル消滅』など。テレビ、新聞などメディア出演多数。
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