入山章栄 「受け身の発想」から新たな技術と価値の創出へ

入山章栄(早稲田大学教授)

生態系と生物多様性の危機を痛感

─生態系劣化、生物多様性の減少を食い止めようという国際的な流れが出てきつつあります。開発事業者はどんな対応や準備が必要ですか。

 自然生態系を守ることは本当に重要だと思います。『ナショナルジオグラフィック』を読み、昆虫が減っているのを知りました。昆虫は、地球上で知られている生物種の中で一番数が多い。その昆虫の種の数が減るのは、恐ろしいことです。沖縄のサンゴも生存の危機に瀕しています。

 これからの企業は、こうした生態系の劣化に敏感になって対応していくことが重要です。問題は、そこが今なかなかビジネスになりにくいことです。だからこそ、SDGsなどに取り組むなかで、政府も含めて考える必要があるでしょう。僕もそうですけど、東京の快適な家にいると、今、自然が相当壊れているとか、昆虫が減っているとかわからないんですよ。身に染みて感じない。普段、自然にあまり触れることがなく変化がない所にいると、自然が劣化していると気づかない。人々がそういう現場を見る、感じる機会を作ることが重要ではないでしょうか。

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