森 喜朗 あうんの呼吸で「3期目」に備え
森 喜朗(元首相)
事件の責任を取らない警察 官僚の質の低下を懸念
安倍さんがもう一度、総理大臣に再登板するというのは非常に安易な話で、本当はやってはならないことだ。しかし、もうどうしようもないという時に使える大変な「奥の手」だった。だから、安倍さんは心しておこうということであって、そういう期待はこれっぽっちも持たない方がいいし、周りも誰も言わない方がよかった。安倍さんは日々、自分の研鑽のために、体力をつけるのと同じように、勉強することを心がけていた。その中の一つとして、今度の選挙は圧倒的に勝とうとして、そのためにエネルギーを使い過ぎ、不幸なことになったということでしょう。
自民党としても、いつまでもそうやって安倍さんに頼らなければならないようではだめだよ。最近はいよいよ自民党の質が下がっていると言われる。野党の質も悪いし、国会議員全体の質も悪くなって、とんでもない人が入ってくる。それから官僚も、君たちメディアもみんな質が下がっているのではないですか。
(談)
(聞き手:望月公一)
(続きは『中央公論』2022年9月号で)
森 喜朗(元首相)
〔もりよしろう〕
1937年石川県生まれ。早稲田大学商学部卒業。新聞記者を経て、69年衆院議員初当選。第85、86代首相。日本体育協会会長、日本ラグビー協会会長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長などを歴任。
1937年石川県生まれ。早稲田大学商学部卒業。新聞記者を経て、69年衆院議員初当選。第85、86代首相。日本体育協会会長、日本ラグビー協会会長、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長などを歴任。