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森 喜朗 あうんの呼吸で「3期目」に備え

森 喜朗(元首相)
森 喜朗氏(写真提供◉読売新聞社)
 7月に亡くなった安倍晋三・元首相について、安倍氏が率いていた自民党最大派閥の清和政策研究会(安倍派)の長老である森喜朗・元首相が語る。
(『中央公論』2022年9月号より抜粋)

 事件のあった7月8日の夜中に救急車で緊急入院した。「ああ、安倍(晋三)くんに連れられ、あの世にいくのかな」と思った。翌日、安倍さんのご遺体がご自宅に戻ったので、病院から弔問して、対面した。頭に包帯が巻かれていたが、安らかで、それから非常にきれいな顔をしていた。頭も顔も撫でてやったよ。冷たかったなあ。「安倍くん、ご苦労だったな」「よく頑張ったな」という言葉をかけるよりなかった。

 私から見ると、弟みたいにしていたからね。「かわいそうになあ」という気持ちと同時に、「まだあと20年はやれるのにもったいないなあ」と。「俺は老骨に鞭打って頑張っているのに、まだ若いのだからもったいないじゃないか」という気持ちになってしまった。

 安倍さんが亡くなるとは、予想もしていなかったし、考えもしなかった。ハッキリ言えば、これからどうやって安倍さんをもう一回、もり立てていくかということを考えていた。本人もおそらく、心の中では「チャンスがあれば」と思っていたはずだよ。それはお互い、絶対に口にしないようにしていたが、そのつもりでいたと思う。彼は、7月の参院選は異常なまでに(候補者応援のために)歩いていた。奈良もそうだし、福井とか、行かなくていいようなところまで、きめ細かく歩いておられた。やっぱり他日を期しているのだなあと、私には見えた。だから、その時に備えて、お互いに「あうんの呼吸」で周りをしっかり固めて、環境を作り上げることが、私の最後の仕事だと、そう思っていたからね。

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