日産買収を目指したホンハイの狙い、ホンダの勝算
鈴木 均(地経学研究所主任研究員)
ホンハイ関係者への独占取材で見えた買収の狙い
ホンハイによる日産買収が実現していた場合、どうなっていたのか。
ホンハイは2016年、債務超過となったシャープを傘下におさめ、液晶パネルなど不振に陥った事業を一旦は立て直した。だが24年12月、シャープがテレビ向けの大型液晶パネルを生産していた堺市の工場の土地・建物の一部を約1000億円でソフトバンクに売却すると発表した。シャープ出身の中田行彦はJBpressへの寄稿の中でシャープ「再崩壊」について詳細に分析しており、ホンハイに経営方針上のブレなど複数の要因があったと指摘する。その他にも「日産は「第2のシャープ」か」と提起する記事など、ホンハイが日産を買収すると過酷なリストラが行われるとの予想もある。
ホンハイが日産買収をしかけた真の目的を知るべく、ここからは、匿名を条件に応じたホンハイ関係者A氏のインタビューを紹介する。
(『中央公論』3月号では、この後もホンハイ関係者に行った匿名インタビューを紹介するだけでなく、自動車業界大再編のゆくえをうらなう。)
鈴木 均(地経学研究所主任研究員)
〔すずきひとし〕
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。European University Institute歴史文明学科修了。Ph.D.(History and Civilization)。新潟県立大学国際地域学部准教授、モナシュ大学訪問研究員、LSE訪問研究員、外務省経済局経済連携課を経て現職。単著に『自動車の世界史』、共著に『複数のヨーロッパ』などがある。
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学。European University Institute歴史文明学科修了。Ph.D.(History and Civilization)。新潟県立大学国際地域学部准教授、モナシュ大学訪問研究員、LSE訪問研究員、外務省経済局経済連携課を経て現職。単著に『自動車の世界史』、共著に『複数のヨーロッパ』などがある。