書籍を知る場としての"新聞広告"
若手社員の いま気になるあの本
中央公論新社の若手社員が、刊行の今昔を問わず「いま」気になっている本について自由に語る企画。
第2回は、書籍の新聞広告について、取り上げます。
第2回は、書籍の新聞広告について、取り上げます。
"新聞広告"とは?
今回、この連載でどの本を取り上げようかと迷って、小社の書籍の宣伝が載っている新聞広告をいくつか見てみました。そうそう、いまこの本が売れているんだよね、などと眺めているうちに、おっ、このデザイン面白い、とか、なかなか凝ったキャッチコピーだな、とだんだんと広告自体に興味がわいてきました。そもそも誰がどうやってつくっているんだろう?と、いうわけで今回は新聞広告について書いてみることにします。
毎日発行されている新聞には、ほぼ必ずどこかの出版社の書籍の広告を見つけることができます。読者の方が書籍の情報を目にする大切な場であり、書店さんに出入りしていると、新聞の切り抜きを持って本を探しに来られているお客さんを目にすることもあります。(かつて書店でアルバイトしていた立場で言うと、うろ覚えの間違ったタイトルで尋ねられると、特定にかなり時間を要して大変です。これに関しては、講談社さんから発売された『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』が話題になりました)
小社も全国紙やブロック紙・地方紙に広告を掲載している出版社の一つです。一口に新聞広告といっても書名とキャッチだけが記載された細長い短冊状のもの、書影や著者写真が大きくあしらわれたフルカラーの広告、新しく出た本、最近映像化された本など、そのサイズや銘柄も様々あります。広告のキャッチやデザインは読者の興味を引く入り口のようなもの。とはいえ、ただ派手ならばいいというわけでもなく、注目を集めた後、(出版社としては)本を買っていただかなくてはなりません。