書籍を知る場としての"新聞広告"

若手社員の いま気になるあの本

なぜ、『応仁の乱』だったのか

初めに申し上げたように、広告とはとにかく目立てばいいというものでもありません。今でいう「炎上」というようなことがあれば、それまでのファンが離れていってしまう、といったリスクも考えられます。

今回の場合で言えば、『応仁の乱』というテーマが、500年以上も前の出来事であるため、「地味すぎる」などと言っても気を悪くする人が(おそらくは)いなかったこと、中公新書のどちらかと言えば硬い内容という一般的なイメージとのギャップを狙ったことなどが、うまくいった要因としてあげられるでしょう。関西弁のキャッチコピーも、おおらかな風土を持つ関西圏だったからこそ、チャレンジすることができ、そしてうまくはまったと言えます。

結果として『応仁の乱』はこれまでに48万部を超える大ヒット商品となりました。

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