清水亮 世界中で争奪戦の<激レアアイテム>、330万円で買うか買わないか?日本のAI開発の光となる『四畳半のスーパーコンピューター』ここに爆誕す

人工知能はウソをつく【第6回】
清水亮

AIの世界での1年は、通常の技術の10年

いまやNVIDIAのサーバースペックGPUは、"重要戦略物資"として世界中で奪い合いが起きている。中国への輸出規制はもともとされていたが、今月さらに強化された。米軍からすれば、軍事への応用で先を越されたらたまらないからだ。

ぼくが奇跡的に買えたのは、在庫が中途半端だったこともあるが、そもそもこれを必要とするような大企業や公的研究機関が、バッタ屋で買い物なんかしないからだろう

ちなみに、ぼくはすでにドスパラから寄贈されていた48GBのGPUを2台搭載したマシンを所有していが、これでは全くダメうことが使えば使うほどわかるのである。

48GB×2は80GB×1には到底叶わない。特に大規模言語モデルを扱うという話に於いては。

しかし80GB版のGPU在庫払底しているため、最新のH100世代の納期を待つとだいたい年後になる。ABCIもその調達を予定しているが、導入は来年の第三四半期で、これさえ遅れる可能性がある。

AIの世界での1年の遅れは、通常の技術の世界の10年に匹敵する。待っている時間などないのだ。

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