清水亮 世界中で争奪戦の<激レアアイテム>、330万円で買うか買わないか?日本のAI開発の光となる『四畳半のスーパーコンピューター』ここに爆誕す

人工知能はウソをつく【第6回】
清水亮

で、これ何に使うの?

結果として良い買い物が出来たと喜んでいたら乗らないとならない新幹線の時間が近づいていることに気づいた。

慌てて長岡に移動した後、市長と夕食をとる。長岡市長の磯田氏は当選一期目から長岡をAI都市にするという目標を掲げ、ChatGPTの業務利用にも力を入れている人物だ。

会食の場で「長岡も本気でAIをやるならこの手の設備を持つべきなんて言っていたら、同席したある大富豪のEさんがとんでもないことを言い出した。

「そんなに凄いモノなら俺も10個くらい買おうかな」

「本当ですか?」

「それがないと日本でAIやってる若者が困るんだろう?」

いや、そもそも10個とか在庫があるのか? バッタ屋も2個しかなかった

酔った勢いで正規代理店に問い合わせると、「並行輸入ならギリギリ確保できます」と言う。

「在庫あるそうですが...買いますか?」

「買った!」

居合わせた人間が全員仰天した。

「全部で3300万円? 明日振り込む

 とりあえず代理店につないでその日は東京に戻った。そして翌日

「振り込んだよ」

と電話が来た。でもまてよ。GPUだけ10個買っても...。

「で、りょうちゃんこれ何に使うの?」

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