ラーム・エマニュエル 駐日アメリカ大使インタビュー「中露の強権は見過ごせない――私の使命感と家族の歴史」
ラーム・エマニュエル(駐日アメリカ大使)
アメリカのバイデン大統領の肝いりで今年1月に着任したラーム・エマニュエル駐日大使(62)は、米政界きってのタフ・ネゴシエーターとして知られる。生前の安倍晋三元首相ら政財界のキーパーソンと連日、精力的に情報交換を重ね、ツイッターを駆使した情報発信にも抜かりはない。かつてウクライナなどで迫害された東欧系ユダヤ人の家系で、「政治と共に育った」という剛腕大使が、中国やロシアの挑戦を受ける日米同盟の進むべき道と、家族について語った。
(『中央公論』2022年10月号より抜粋)
(『中央公論』2022年10月号より抜粋)
- 安倍元首相を悼むアメリカ人
- リーダーには「タフさ」が必要
- 日米と中露の違いとは
- 中国の「債務の罠」
- ロシアに「許可証」を与えるな
- 父方の家族はオデーサ出身
- 夕食はまるで国連安保理
安倍元首相を悼むアメリカ人
私もみなさんと同じように、安倍元首相の殺害にショックを受け、悲しみに暮れています。いまだに受け入れることができずにいます。(事件から2日後の7月10日に)妻のエイミー、娘のレアと一緒に安倍家を弔問した時のことは決して忘れないでしょう。みんなとても動揺していました。大事な存在を失ってしまった、という思いからでしょう。安倍さんが、日米関係にどれほど重要な影響を及ぼしていたかということを示しています。
安倍さんはアメリカの真の友人でした。バイデン大統領、ハリス副大統領、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官、その他多くのアメリカ人が、深い悲しみを表しました。偽りのない、心からの弔意です。安倍さんが、日米同盟と、日米両国が共有する価値観の強力な擁護者だったからにほかなりません。