宮下洋一 犯罪加害者の「死ぬ権利」は認められるのか――ルポ・スペイン銃撃犯安楽死事件
宮下洋一(ジャーナリスト)
安楽死法制化の経緯
スペインは、ローマ・カトリック教会の影響が歴史的に強く、政治的にも「カトリック司教協議会」の力は絶大だった。しかし、時代の変遷とともに国民の信仰離れが進み、現在では、人工妊娠中絶や同性婚などの普及運動が活発に行われている。
人の死をめぐっては、2002年に「患者自律基本法」が成立し、終末期患者への緩和的鎮静や、患者の治療拒否権などを認める自治州が出てきた。このような「尊厳ある死」に対する関心が集まった背景には、数々の事件が関係している。
(続きは『中央公論』2022年12月号で)
宮下洋一(ジャーナリスト)
〔みやしたよういち〕
1976年長野県生まれ。米ウエスト・バージニア州立大学卒業。スペイン・バルセロナ大学大学院でジャーナリズム修士。スペインの全国紙記者を経てフリーに。『安楽死を遂げるまで』で講談社ノンフィクション賞受賞。近刊に『死刑のある国で生きる』。
1976年長野県生まれ。米ウエスト・バージニア州立大学卒業。スペイン・バルセロナ大学大学院でジャーナリズム修士。スペインの全国紙記者を経てフリーに。『安楽死を遂げるまで』で講談社ノンフィクション賞受賞。近刊に『死刑のある国で生きる』。