江戸文化を支えたかつての賑わいを取り戻したい墨田区、川が分割した三つのエリアそれぞれ個性をみせる葛飾区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第11回
牧野知弘

活気を取り戻したい向島、団地の老朽化が進む立花

元気が無いのは、向島から東向島にかけての隅田川沿いでしょうか。

スカイツリーはよく見えるものの、東武伊勢崎線の曳舟以北の駅近辺を見渡すと、力のある商業施設や商店街も少なく、活気が感じられません。

向島は芸者遊びができる花街として栄えてきましたが、昭和後期から徐々に元気を失い、往時のような面影も今ではほとんど無くなりました。

東武亀戸線沿線の立花近辺も、やや取り残された感のある「街」です。亀戸と曳舟を繋ぐ亀戸線は両駅の間にわずか3駅という小さな鉄道です。接続駅も亀戸と曳舟で、利便性が高いとは言い難いものがあります。街中の団地の老朽化も進んでいます。

3913934_s.jpg東武亀戸線・曳舟駅(写真提供:Photo AC)

江戸時代よりその文化を支えてきた歴史あるエリアだけに、この先かつてのような賑わいをどのように取り戻すのか、その舵取りが問われています。

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