江戸文化を支えたかつての賑わいを取り戻したい墨田区、川が分割した三つのエリアそれぞれ個性をみせる葛飾区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第11回
牧野知弘

葛飾区は大きく三つの区域に別れる

大きく見て、葛飾区は三つの区域に分断されています。

荒川と江戸川という大きな河に挟まれたこの区の中央を、さらに中川が流れています。中川は京成本線の青砥と京成高砂の間の高砂橋付近で分岐しているため、葛飾区は川の西側と東側、および新中川と中川に挟まれた南側に分かれているのです。

ちなみに葛飾区役所は立石にあり、今般立石駅前開発に伴い、駅前のビルに入居することで利便性は向上したものの、区の東側や南側の住民にとっては必ず中川を渡っていかなければならない状況は変わりません。

鉄道はJR常磐線と総武線、京成本線、京成押上線が区を横断しています。また京成高砂駅より北総鉄道が新柴又から江戸川を渡り矢切方面へ延び、金町方面には京成金町線というローカル色が強い鉄道が走っています。区の北側、JR金町駅から北側の水元付近には鉄道がなく、バスが交通の要になっています。

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