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都民ファーストの会の夢と挫折、そしてこれから 岩崎大輔

岩崎大輔(ノンフィクションライター)
 6月25日に告示される東京都議選。空前の大勝から4年を経て、都民ファーストの会とそれを取り巻く状況はどのように変わっているのか。その現在地を探る。(『中央公論』2021年7月号より抜粋)

「おはようございます」「いってらっしゃいませ」

 緊急事態宣言中の四月三十日早朝、東京都練馬区・光が丘駅前で、尾島紘平・都議会議員(都民ファーストの会・一期)が挨拶を繰り返す。

「本人」のタスキをかけ、手袋、マスク姿で挨拶を続け、二人の女性区議とともにビラを配るが、駅に向かう大半の人は素通りしていく─。

 尾島氏は小池百合子事務所秘書を経て、二〇一五年、二十六歳の時に練馬区議となった。一六年、小池氏が知事選に出馬すると行動を共にし、自民党東京都連から除名処分を受けた「七人の侍」の一人として脚光を浴びた。しかし、それも今は昔のことなのか、九〇分の活動で三枚のビラがはけたのみ。ノボリを片付ける尾島氏に声をかけると、「無風」と評し、こう語る。

「都議選告示まで二ヵ月を切った四月下旬から駅頭に立ちはじめました。『緊急事態宣言中にお前は選挙優先か』とお叱りを受けるのか、と思っていましたが、今のところありません。区議時代から街に立っているので雰囲気は肌感覚でわかるものですが、今回は応援も罵声もなく、つかみようのない雰囲気です」

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