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売れるタイトル付けの方程式は存在するか? ~中公新書『人類の起源』から見る"ヒットの起源"~

あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた 連載第10回

他社の新書をみてみよう!②似て非なる本~タイトル付けで味付けも変わる~

たまたま私が検索したタイミングで上位に並んだ銘柄だけでこんなにあれこれ言うのもいかがなものかと思いますが、面白いのでどんどん紹介していきます。次に集英社新書、ちくま新書、光文社新書を一気にご覧ください。

 

集英社新書

1位『書く力 加藤周一の名文に学ぶ』

2位『ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち』

3位『人新生の「資本論」』

4位『ショパン・コンクール見聞録 革命を起こした若きピアニストたち』

5位『アイヌ文化で読み解く『ゴールデンカムイ』』

 

ちくま新書

1位『日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか』

2位『聞く技術 聞いてもらう技術』

3位『日本語全史』

4位『現代語訳 学問のすすめ』

5位『現代語訳 論語と算盤』

 

光文社新書

1位『死は存在しない 最先端量子科学が示す新たな仮説』

2位『射精道』

3位『外資系コンサルの知的生産述~プロだけが知る「99の心得」~』

4位『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』

5位『映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形~』

 

まず目に付くのは集英社新書『書く力』とちくま新書『聞く技術 聞いてもらう技術』。これは「書く」と「聞く」が逆転していても成立しそうですが、かたや端的に、かたや詳細をそのままタイトルにしています。また、集英社新書『ファスト教養』と光文社新書『映画を早送りで見る人たち』もある意味対照的です。たとえば「古典をあらすじで読む人たち」と「ファスト映画」でもあり得たような気がしてしまいます。サンプル数2でモノを言えるなら、集英社新書編集部ではひとことで言い切るという美学が働いている可能性があります。

 

次に幻冬舎新書と文春新書です。

 

幻冬舎新書

1位『80歳の壁』

2位『山はおそろしい 必ず生きて帰る! 事故から学ぶ山岳遭難』

3位『ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界』

4位『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』

5位『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』

 

文春新書

1位『安倍総理のスピーチ』

2位『男性中心企業の終焉』

3位『第三次世界大戦はもう始まっている』

4位『昭和とわたし 澤地久枝のこころ旅』

5位『日本の伸びしろ 悲観を成長に変える思考力』

 

幻冬舎新書『ウクライナ戦争と米中対立』と文春新書『第三次世界大戦はもう始まっている』では、現状分析を普通に流通している言葉で表すか、より危機感をあおる言い換えをして見せるかの違い、同じく幻冬舎新書『貧乏国ニッポン』と文春新書『日本の伸びしろ』ではネガティブとポジティブの違い、またニッポンと日本の表記の違いによる効果など、きっとそれぞれ著者・編集者・編集部の間で議論になったはずです。

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