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売れるタイトル付けの方程式は存在するか? ~中公新書『人類の起源』から見る"ヒットの起源"~

あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた 連載第10回

他社の新書をみてみよう!③表記の違い~神は細部に宿る~

こういう似て非なる本の違いは、「そっちの方が売れると思ったから」というのももちろんあるとは思いますが、一番は読者に心の準備をさせることにあるかと思います。「これからAというテーマについて語るけども、こういう論調で行くから覚悟しておいてくれ」というメッセージ。それはたとえば幻冬舎新書の『国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶』くらい明確でなくとも、「ニッポン」と「日本」の違いのような、ちょっとした表記にも表れています。

 

平凡社新書

1位『農業消滅: 農政の失敗がまねく国家存亡の危機』

2位『にっぽんの鉄道150: 蒸気機関車から新幹線、リニアへ』

3位『家康の正妻 築山殿: 悲劇の生涯をたどる』

4位『新中国論: 台湾・香港と習近平体制』

5位『保守の遺言:JAP.COM衰滅の状況』

 

朝日新書

1位『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』

2位『日本のシン富裕層 なぜ彼らは一代で巨万の富を築けたのか』

3位『人生は図で考える 後半生の時間を最大化する思考法』

4位『人生の結論』

5位『新版 財務3表一体理解法』

 

平凡社新書『新中国論』に対して朝日新書『日本のシン富裕層』は庵野秀明作品を想起させるカタカナ表記ですが、その方が本の中で扱われる「富裕層」のイメージに合うという判断なのでしょう。

また、幻冬舎新書『貧乏国ニッポン』と平凡社新書『にっぽんの鉄道150年』では明らかに、これから本の中で語られる"日本"にあらかじめ抱いてほしいイメージが違います。

 

みなさま、新書コーナーお立ち寄りの際はぜひそのタイトルを付けた理由に思いをはせてみてください。

 

次回は1125日配信予定です。

お楽しみに!!

人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」

篠田 謙一

古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。

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