ヒット作は狙って出せるのか!? ~売れるきっかけ作りの努力と、『女人入眼』『幸村を討て』にみる歴史小説の可能性~
あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた
取り上げられるためのきっかけづくり:没後/生誕〇周年企画
しかし!こういった成功事例があるからと言って、「じゃあいいものを作って、あとは誰かが話題にしてくれるのを待っていればいいよね」と言っているわけにもいきません。編集者は何かに取り上げられ、作品が日の目を浴びるためのきっかけをたくさん用意します。
たとえば故人の作品を編みなおして刊行する企画の場合、多く用いられるフックは「没後○○年」「生誕○○年」というもの。どちらも10年刻みで使用できるのでたくさんきっかけがあって便利です。たとえばこんな感じ。
これは書店でそういった文言の載った帯を見て、「あ、この人生きていれば○○歳だったんだ、本買おうかな」となることももちろんですが、たとえば新聞記者や書評委員がその本を取り上げて記事を書きやすいようにといった配慮があると言います。なるほどなあ。
じゃあ今回取り上げる2作、「直木賞」以外にはどこに「何か」があったのか?
を、探る前に、せっかくなのでもうちょっと「売れる本」についての考察をさせてください!