ヒット作は狙って出せるのか!? ~売れるきっかけ作りの努力と、『女人入眼』『幸村を討て』にみる歴史小説の可能性~

あの本が売れてるワケ 若手営業社員が探ってみた

ターゲットを絞り囲い込む①

~「タイトルに年齢を入れる」という戦略と読者の所在地~

さて、答えの出るはずない「本が売れる理由」ですが、勇気を出して分析してみます。
「売れる本」というのは当然「たくさんの人が買っている」ということ。たくさんの人が買うためには、なるべく多くの人間が楽しめる作品がよいでしょう。といって万人受けするテーマというのはどうしてもぼやっとしたものになりがち。つまり、読者ターゲットを明確にしつつ、なるべく多くの読者が存在するマーケットに向けた本、これが売れるのではないかと考えられます。
そこでこちらご覧ください。

(紀伊國屋書店西部東戸塚S.C.店 5月30日時点)

5月、6月と新書ランキングを席捲した和田秀樹さんの著作群ですが、なんとタイトルの全てに年齢が入っています。現在、本の年齢別の市場は圧倒的に70代・80代。これぞ明確に読者ターゲットを限定した本の成功例と言えましょう!しかも読者の年齢を限定するという作戦は、毎年すごい数の人が新しくその歳になるので、読者が無限に増え続ける最強のシステムです。中学校の図書室に『13歳のハローワーク』がずっと置いてあるというのと同じですね。

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