大量の相続発生で「空き家問題」と向き合う大田区。海岸側と内陸側でまったく別の顔を持つ品川区の「輝く街・くすむ街」
牧野知弘の23区「街間格差」第4回
牧野知弘
国家戦略特区にも指定。元気な羽田空港近辺
東海道線、京浜東北線の東側から京浜急行線を跨いで海側が下町であるのに対して線路の西側の山王はブランド住宅街です。また多摩川線の線路を挟んだ南側は多摩川沿いに下町が広がり、北側は池上、久が原といった閑静な住宅街となり、ここを池上線が通過しています。
大田区で今、元気なエリアは羽田空港近辺でしょう。
24時間の空港供用が始まり、訪日外国人の数が急伸したことに連動して、このエリアでの宿泊、飲食などの需要が一気に増えました。コロナ禍で一時この動きは減りましたが、中長期的にみてもこのエリアは今後も注目です。
大田区内にしては比較的地価や家賃が安いこと、京浜急行が線路の高架化を進め、遅延などが少なく快適になったことが相まって、利便性重視で働く世代に注目されるエリアとなっています。
大田区は国家戦略特区に指定され、住宅を民泊に活用する際の規制が緩和されていることも今後の住宅の活用を考えればメリットです。
京浜急行の沿線も各駅とも庶民的な下町で物価も安い。羽田空港に近く、都心へのアクセスも悪くないため、空港で働く関係者にも人気です。