大量の相続発生で「空き家問題」と向き合う大田区。海岸側と内陸側でまったく別の顔を持つ品川区の「輝く街・くすむ街」

牧野知弘の23区「街間格差」第4回
牧野知弘

ローカル路線になった東急多摩川線

一方、東急多摩川線は魅力の少ない路線になったと言わざるを得ません。

かつては目蒲線と呼ばれる目黒と蒲田間を走る路線でしたが、東急線が2000年8月に路線変更を行った結果、路線が分断され、すべての電車が「多摩川止まり」になりました。

東急多摩川線・矢口渡駅の踏切(写真提供:Photo AC).jpg東急多摩川線・矢口渡駅の踏切(写真提供:Photo AC)

以前、目蒲線時代の鵜の木駅近くに住んでいたことがあります。その頃からぱっとしない下町でしたが、交通の利便性はよく、蒲田から都心に出るにも、また田園調布から武蔵小山、目黒方面へ一足で行ける魅力がありました。

それが現在、全長わずか5・6キロメートルの「ローカル路線」になってしまい、それに伴って沿線の駅や街もより存在感を失ったように感じられます。

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