2018年12月号【編集長から】
<リーダーのあり方を世界史に学ぶ> 「小泉というのは一度言い出したら聞かないと言われているが、必ずしもそうじゃない」。就任1年目の小泉首相は靖国神社に参拝した後、こう語りました。終戦記念日の参拝を公約...
<リーダーのあり方を世界史に学ぶ> 「小泉というのは一度言い出したら聞かないと言われているが、必ずしもそうじゃない」。就任1年目の小泉首相は靖国神社に参拝した後、こう語りました。終戦記念日の参拝を公約...
<新しい冷戦、日本の役割は?> 日本から米国への集中豪雨的輸出が問題視されていた時代です。ロンドンで開かれた1977年の先進国首脳会議で、福田赳夫首相は「現在、世界が抱えている経済的な困難は、30年代...
<"歴代最長政権"は何を成し遂げるのか> 日ソ共同宣言の批准承認に対する中曽根康弘氏の賛成演説は、ソ連や野党を批判したため、国会の議事録から全文削除されました。1956年11月、自民党副幹事長当時のこ...
<平成最後の終戦記念日に> 鴻上尚史さんのデビュー作は、男性5人の印象的な群唱で幕を閉じます。<朝日のような夕日をつれて/僕は立ち続ける(中略)冬空の流星のように/ぼくは ひとり> 特攻を命じられた...
2018年8月号【編集長から】 <「2人に1人が50歳以上」の時代に> 78歳以上は車のハンドルを握っただけで逮捕されるようになり、買い物難民化した高齢者向けのタクシーを若者が運転する――。1980...
<自由へのただ乗りは許されない> 7月号は、「シャープパワー」という耳慣れない言葉をあえて特集のタイトルにしました。自国に都合がいいように相手国の世論を操作する工作を意味する新しい概念です。提唱者はク...
<官僚は劣化したのか> 官僚の不祥事が報じられるたびに、1998年に大蔵省(現・財務省)を揺るがしたスキャンダルを思い出します。金融機関の接待汚職でキャリアを含む4官僚が逮捕され、蔵相が引責辞任しまし...
<「憲法ニヒリズム」をどう乗り越えるのか> 5月号の特集タイトルは「憲法の正念場」です。昨年5月号は「憲法の将来」(電子版https://buff.ly/2Ee7Ga7)でした。この1年で改憲がにわか...
<明治維新の「勢」に学びたい> 4月号の特集にご登場いただいた苅部直氏の近著『「維新革命」への道』には、「勢」というキーワードが出てきます。本居宣長や頼山陽らに支持された概念で、歴史をある方向に動かす...
<オランダに学べるか> 一九八〇年代初頭、失業率が一〇%を超えたオランダは、政労使が一体となって労働市場改革に取り組みました。その精華が、二〇〇〇年に施行された「労働時間調整法」です。週何時間働くかは...
<改革倒れはご勘弁> 平成の初期まで、中学と私立高校が相談して受験前に合格者を内定する高校受験生の「青田買い」と呼ばれた慣行がありました。中学校内で実施される民間業者のテスト成績を参考に、生徒を偏差値...
<昭和は遠くなりにけり> 平成も余すところ1年半を切りました。平成30年1月号はこの30年間を100人の人物で振り返りました。 30年というのはとても長い時間です。 30年刻みでジャンプできるタイムマ...
<土地放棄の責任は問われなくていいのか> 律令国家の公地公民に始まり、寺社や貴族による荘園制、それを葬り去った秀吉の太閤検地など、日本史を振り返れば、時代の権力者は常に土地の支配者でもありました。近現...
<北の核ミサイル開発と突然の衆院選> 「あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる」。 「見たくないものは見えない。見たいものが見える」。 福島原発の事故原因を探るため、閣議決定により設置され...
<政治・選挙制度改革とは何だったのか> 小選挙区比例代表並立制のもとで、初めて衆院選が行われたのは、一九九六年十月のことです。政党助成金の導入で利益誘導型政治に終止符を打ち、政権交代可能な二大政党制に...
<等身大の自画像とは> エズラ・ヴォーゲル教授が、戦後日本の経済成長を讃えた「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を著したのは、40年ほど前の1979年のことです。日本経済はその後、85年のプラザ合意による...
<英語一強時代の日本語のサバイバル術> 機械が訳したらしい、たどたどしい日本語の説明書きを、海外製品を扱うネット通販サイトでよく見るようになりました。そもそも関心がある商品の情報ですから、表現が稚拙で...
<報道も科学もファクトが重要だ> 肺に入れても害のないフロンガスが冷蔵庫から消えたのに、金属やカーボンの塊である飛行機が飛ぶのを禁止されていない理由は、人類に科学があるからでしょう。五感では把握しかね...
<暴走する北朝鮮、迷走する韓国> 北朝鮮はミサイル挑発をやめようとせず、韓国は長い政治空白の末ににようやく新大統領が決まったばかりです。朝鮮半島情勢はどう動くのか、多角的に考えました。北の挑発に対し、...
<あいまいな日本の憲法> 「阿吽の呼吸」や「以心伝心」で通じる日本的なあいまいさが、憲法にも潜んでいると思い知らされた気がしました。 5月3日に施行70年を迎える日本国憲法。その最大の特徴を東京大学社...
<歴史力で乱世を生き抜く> 現在が第二次大戦前に似ているという説があります。 英フィナンシャル・タイムズ紙は今年の初めに「欧州にファシズムの波が押し寄せ、第二次世界大戦が勃発した当初、孤立主義だった米...
<ふるさと納税の本末転倒> テレビCMも流れるほど人気の「ふるさと納税」。都市で働く地方出身者が、住んでいる自治体に納める地方税の一部を、寄付の形で地方に還元するというのが、本来の精神でした。過疎など...
<国立大学の地盤低下 湯川博士なら何という> 1949年に日本初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹博士は53年、京都大学基礎物理学研究所の初代所長に就任しました。学外の研究者が参加する日本初の共同利用研究...
お陰さまで本誌は創刊一三〇年を迎えました。現存する国内の雑誌では最長寿とされています。古きが故に貴いとは申しませんが、消長の激しいメディアの世界で、総合月刊誌という形態を維持したまま、他のどの雑誌よ...