
2011年10月号【編集後記】
★最近、よく耳にするのが「脱」という言葉。脱官僚に脱小沢、そして目下の一番人気は脱原発。★この「脱」はなかなかの曲者で、「賛成か反対かというレベルの議論をしたいわけではありません」とでも言いたげ。 そ...
★最近、よく耳にするのが「脱」という言葉。脱官僚に脱小沢、そして目下の一番人気は脱原発。★この「脱」はなかなかの曲者で、「賛成か反対かというレベルの議論をしたいわけではありません」とでも言いたげ。 そ...
★東京タワーの展望台に、真下が覗けるガラスの床がある。その上に乗ることを断固拒否した友人はしかし、地下鉄の駅では進入する電車に背を向け、ホームの端ギリギリに立ったまま悠然とおしゃべりに興じていた。 ★...
★かつては、会合などでノーネクタイだと、「すみません、こんな格好で」と恐縮したものだが、今夏は様子が違う。ネクタイをしているほうが、「暑苦しくて、すみません」と謝らないといけない雰囲気だ。クールビズは...
★五月の連休に家電量販店に出かけた。アイリンクだの動作保証だの、慣れない言葉と格闘したあげく、ようやく商品数点の購入を決定。さて御会計、というときの店員の言葉が「少し値引きさせてもらいましたから」。 ...
★一九九五年、阪神・淡路大震災の約二ヵ月後に東京で地下鉄サリン事件が発生。二〇〇四年、新潟県中越地震の約二ヵ月後にスマトラ島沖でマグニチュード九・一の地震が発生。そのころから震災報道は激減し、世間の関...
★ピーターの法則をご存知でしょうか。「階層社会では、すべての人は昇進を続け各々の無能レベルに到達する。やがて、あらゆるポストは職責を果たせない無能な人間によって占められる。仕事は、まだ無能レベルに達し...
★とある韓国のジャーナリストとの会話。「日本の政治、ほんとに情けないことになってきたねー。国民は怒ってないの?」「そりゃ怒ってるよ。この数年ころころ首相が代わるけど何一つ問題を解決できない」「だったら...
★十九世紀に入って、突然思い出したかのようにヘディン、スタインなど数多くの探検家が雪崩をうって東西両トルキスタン、アフガニスタン、さらにはチベットへと入り込んでいきました。時、まさに「グレートゲーム」...
★「産業革命の結果生じた新たな諸条件はこの利点をしばらくの間いっそう助長した。このような状況が自由貿易政策の採用に導き、関税や航海法の廃止に至らしめたのである。......重商主義政策の終焉は、自由と...
★大阪府高槻市の私が通った小学校から一キロメートルほど北西に、三好山もしくは城山と地元で呼ぶ小山があります。戦国期、ここに芥川城という畿内でも有数の規模の城が築かれていました。最も有名な城主は、信長の...
★「こんな偽善と詐術は、アメリカの占領と共に終わるだろう、と考えていた私はずいぶん甘かった。おどろくべきことには、日本人は自ら進んで、それを自分の体質とすることを選んだのである。政治も、経済も、社会も...
★魯迅に「『フェアプレイ』にはまだ早い」というエッセイがあります。「水に落ちた犬に三種類あり。いずれも打つべきものなり」という物騒な内容です。革命派と軍閥の確執の中、政敵に対し欧米流のフェアプレイは無...
★「義を為すは毀を避け誉に就くに非ず」(墨子)。最近、なぜか「正義」が大ブームです。某国の超エリート大学で行われている正義を考える講義の風景をテレビ放送したところ、それを見た我が国民までが白熱したとの...
★哨戒艦撃沈に対し日本海で米韓軍事演習。毎度の事ながら北朝鮮の乱暴行為のお陰で東アジアはまた緊張です。聞くところによると、権力の世襲を強行するための環境作りという意図が、一連の瀬戸際戦術の裏にはあると...
★文久三年(一八六三年)八月十八日の政変、蛤御門の変、四ヵ国艦隊下関攻撃に敗れ、幕府の第一次長州征討に屈した長州藩は、高杉晋作のクーデターの後、一気に軍制を改革。攘夷派のくせに西洋式を導入し、ミニエー...
★仕事上の研究のため、というのは嘘で、単に流行ものに弱いため、早速、iPadを手に入れて試してみました。うーん、インターネットやスマートフォンを最初に使った時ほどのインパンクは感じませんねぇ。これで革...
★だいぶ前になりますが、沖縄で地元の方に、一九七〇年のコザ暴動の話を聞いたことがあります。当時、米兵の犯罪が頻発。しかし、米軍による軍法裁判で軽微な罪にしか問われず、住民の不満がたまっていました。そこ...
★「君たちは働く者の額にこのイバラの冠をかぶせることはできない。君たちは人類を金の十字架にかけることはできない」。一八九六年、アメリカ大統領選の民主党大会で、候補となったウィリアム・ジェニングズ・ブラ...
★先日、会社から帰宅の途中、外堀通りから東京駅の方角を眺めたとき、そのスカイラインのあまりの変貌に改めて呆然となりました。大阪生まれの私が初めて東京に降り立ったのが三十数年前の東京駅。 その時、丸の内...
★初代司法卿となった江藤新平は、急進的な近代化論者でしかも西欧型司法制度の原理主義的な推進者でした。ために自らも発足したばかりの明治政権の中にありながら、薩長出身の権力者の汚職・不正事件を執拗に摘発し...
★ミュージカル『エビータ』で有名なエバ・ペロンの夫、フアン・ペロンは一九四六年、アルゼンチンの国力の歴史的な頂点で大統領に上り詰めました。第二次世界大戦で局外中立を保ち、両陣営に食料、特に牛肉を売りま...
★「明治元年の五月、上野に大戦争が始まって、その前後は江戸市中の芝居も寄席も見世物も料理茶屋も皆休んでしまって、八百八町は真の闇、何が何やらわからないほどの混乱なれども、私はその戦争の日も塾の課業を罷...
陸奥宗光は、東学党の乱から日清戦争、三国干渉に至る外交の内幕を回想録に残しています。「......滔々たる世上の徒と共にその是非得失を弁論争議するは素より余が志に非ず。しかれども政府がかかる非常の時に...
★一九二九年、浜口雄幸内閣の大蔵大臣に就任した井上準之助は、懸案であった金本位制への復帰を断行します。これは旧平価解禁と呼ばれる円高政策で、竹森俊平氏によると、大正バブルの清算という通説とは異なり、国...