
2019年10月号【編集長から】
<日本が科学立国であり続けるために> 中国発の世界的ベストセラー、劉慈欣さんの長編SF小説『三体』が日本でも翻訳され、人気を集めています。ある登場人物が部下たちにこう語る場面があります。<すなわち、...
<日本が科学立国であり続けるために> 中国発の世界的ベストセラー、劉慈欣さんの長編SF小説『三体』が日本でも翻訳され、人気を集めています。ある登場人物が部下たちにこう語る場面があります。<すなわち、...
<戦争を防ぐために、軍事を考える> 敗戦からまだ13年、ヘイトスピーチめいた発言に共感する人もいたのでしょうか。大江健三郎氏は1958年6月25日の毎日新聞夕刊にこう書きました。。その前年、防衛大学...
<英語コンプレックスを克服するには> ワープロが普及し始めた1980年代半ば、通っていた高校にはまだ和文タイプライターがありました。ベテラン教師は「就職に有利だから授業で使い方を教えたこともあったけ...
<人生100年時代の働き方は?> 江戸時代後期、実測による初の日本地図を作った伊能忠敬は、実業家として成功した後、49歳で隠居し、50歳のときに天文学や暦学を学び始めました。先生は19歳も年下でした...
<労働開国にどう向き合うか> 13歳で米国に留学し、英語のわからぬまま、書類にサインをしてしまう。学問ができると喜んでいたのに、勤め先の主人は、「お前の身体(からだ)は、三年間は金を出して買ってある...
2019年5月号【編集長から】 <令和へ 象徴天皇制を考える> 明治政府は天皇に対し、公に相聞歌を詠むことを禁じたといいます。文芸評論家の亀井勝一郎は、相聞歌の消滅を「万葉以来の伝統からみると異常の...
<AI時代、文系・理系にとらわれない教育を> 先日亡くなった橋本治さんに『福沢諭吉の「学問のすゝめ」』(幻冬舎)という作品があります。この明治初期の大ベストセラーが再び読まれたのは、日本の敗戦後だっ...
<ハーバードから見た日本の姿は> 今月号の連載「農業の未来を考える」は、福田康夫元首相に登場いただきました。福田元首相は、エール大学教授・朝河貫一が1909年に著した『日本の禍機』を愛読書に挙げます...
<平成の先へ 日本の歴史を考える> <去年今年貫く棒の如きもの>。高浜虚子がこう詠んだのは、昭和25年12月20日のことです。当時76歳。敗戦から5年後の慌ただしい年の瀬、来し方行く末に思いをはせたの...
<宗教をより深く知るために> 漂泊の歌人、西行法師が伊勢神宮を参拝した折に詠んだと伝えられる歌があります。<何事のおはしますをば知らねどもかたじけなさに涙こぼるる>。よく理解しているわけではないが、...
<リーダーのあり方を世界史に学ぶ> 「小泉というのは一度言い出したら聞かないと言われているが、必ずしもそうじゃない」。就任1年目の小泉首相は靖国神社に参拝した後、こう語りました。終戦記念日の参拝を公約...
<新しい冷戦、日本の役割は?> 日本から米国への集中豪雨的輸出が問題視されていた時代です。ロンドンで開かれた1977年の先進国首脳会議で、福田赳夫首相は「現在、世界が抱えている経済的な困難は、30年代...
<"歴代最長政権"は何を成し遂げるのか> 日ソ共同宣言の批准承認に対する中曽根康弘氏の賛成演説は、ソ連や野党を批判したため、国会の議事録から全文削除されました。1956年11月、自民党副幹事長当時のこ...
<平成最後の終戦記念日に> 鴻上尚史さんのデビュー作は、男性5人の印象的な群唱で幕を閉じます。<朝日のような夕日をつれて/僕は立ち続ける(中略)冬空の流星のように/ぼくは ひとり> 特攻を命じられた...
2018年8月号【編集長から】 <「2人に1人が50歳以上」の時代に> 78歳以上は車のハンドルを握っただけで逮捕されるようになり、買い物難民化した高齢者向けのタクシーを若者が運転する――。1980...
<自由へのただ乗りは許されない> 7月号は、「シャープパワー」という耳慣れない言葉をあえて特集のタイトルにしました。自国に都合がいいように相手国の世論を操作する工作を意味する新しい概念です。提唱者はク...
<官僚は劣化したのか> 官僚の不祥事が報じられるたびに、1998年に大蔵省(現・財務省)を揺るがしたスキャンダルを思い出します。金融機関の接待汚職でキャリアを含む4官僚が逮捕され、蔵相が引責辞任しまし...
<「憲法ニヒリズム」をどう乗り越えるのか> 5月号の特集タイトルは「憲法の正念場」です。昨年5月号は「憲法の将来」(電子版https://buff.ly/2Ee7Ga7)でした。この1年で改憲がにわか...
<明治維新の「勢」に学びたい> 4月号の特集にご登場いただいた苅部直氏の近著『「維新革命」への道』には、「勢」というキーワードが出てきます。本居宣長や頼山陽らに支持された概念で、歴史をある方向に動かす...
<オランダに学べるか> 一九八〇年代初頭、失業率が一〇%を超えたオランダは、政労使が一体となって労働市場改革に取り組みました。その精華が、二〇〇〇年に施行された「労働時間調整法」です。週何時間働くかは...
<改革倒れはご勘弁> 平成の初期まで、中学と私立高校が相談して受験前に合格者を内定する高校受験生の「青田買い」と呼ばれた慣行がありました。中学校内で実施される民間業者のテスト成績を参考に、生徒を偏差値...
<昭和は遠くなりにけり> 平成も余すところ1年半を切りました。平成30年1月号はこの30年間を100人の人物で振り返りました。 30年というのはとても長い時間です。 30年刻みでジャンプできるタイムマ...
<土地放棄の責任は問われなくていいのか> 律令国家の公地公民に始まり、寺社や貴族による荘園制、それを葬り去った秀吉の太閤検地など、日本史を振り返れば、時代の権力者は常に土地の支配者でもありました。近現...
<北の核ミサイル開発と突然の衆院選> 「あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる」。 「見たくないものは見えない。見たいものが見える」。 福島原発の事故原因を探るため、閣議決定により設置され...